おしゃれ

僕は一つの靴屋の靴を買い続けることが多い。

社会人になりたての頃は、
洋服のセレクトショップの靴を履き続けて、
結局2つの型の靴を3足ずつ買った。

今は気に入った靴屋の靴を履いている。
そこの靴はいまのところ4足になった。
そのうち2足は靴底を全面張り替えている。
どちらも5年以上履いていることになる。

下重暁子さんというとても素適な方、
元NHKのアナウンサーで、文筆家でもある。
その方の言葉にこんなものがあった。

おしゃれとは、気に入った同じものを何枚も持ち、取り替えて着ること。
自分に合うものが何かを知っている証拠である。
一見いつもと同じものを着ているようでも、上質で、その人に似合って、自分らしいものを知っていることになる。
– 持たない暮らし 2008

この言葉がずっと心にある。

この言葉を知ってから、
気に入ったシャツやパンツ、靴をいくつか買うことに抵抗がなくなった。

アレンジすることを怠っていると
まわりの人からは、いつも同じでつまらん人だと
思われているかもしれない。

けれど、それはそれである。

毎日違うものを着る必要もないし、
気に入らないものを着る必要もない。

本当に気に入った、
シンプルで質の良いものを身につける。
ただ、それだけである。